足置きが見た夢

多趣味なオタクの日記です

【野球】推し選手の引退に寄せて

突然だが、推し野球選手が今季限りで現役を引退することになった。

既に感情がぐちゃぐちゃですが、今のうちにお気持ちをまとめておきたいと思います。

 

オタクの推しと野球の推しの違い

私は現役オタクでありながら、プロ野球のファンとして生活しています。

地元球団である北海道日本ハムファイターズと、死んだじいちゃんが昔から応援してきた横浜DeNAベイスターズを贔屓球団としています。

野球でもいわゆる推し活をしていたのですが、その一人として推してきたのが谷口雄也選手です。

npb.jp

 

そんな彼が今季限りで現役を引退することになりました。

こんなにも早く推しの引退を経験するとは思ってなかったので私もまだ受け入れられないです。ほんと、どぼじで。

 

オタクの推しって、「原作者が生きている限りは」「推し声優が生きている限りは」楽しませてくれますよね。

原作者が筆を折ってしまったり、なんらかの理由で声優業を引退してしまったりっていう例外はあるものの、オタクコンテンツは公式が元気なうちは当分楽しめるわけです。

 

でも野球ってそうじゃないんですよ。

チーム箱推しならチームがどこかと合併とかしない限りは滅多になくなったりしないですが、チーム内の誰かを推していると「突然推しが“野球選手”じゃなくなる」ことがあるんです。

プロ野球は勝つために存在するので、チームの戦力となれる選手しか生き残れない。突然球団からクビにされて無職になっちゃう(いわゆる戦力外通告)世界。その瞬間からただの一般男性になるので、その後どんな人生を送ることになるのかは我々一般人には分からなくなることもしばしばあります。

戦力外通告を受ける選手の年齢層がだいたい20代前半から30代前半くらい。入団時期にもよりますが入団して3年くらいで戦力外になってしまう選手もいますので、ほんの短い時間しか応援できなかった選手も数えきれないくらいいます。

 

今回谷口選手が引退を発表したことで、「推しは推せる時に推せ」という名言を悔しいほどに実感しました。

確かにここ数年の谷口選手の出場機会はかなり激減していて、「これは今年でクビになるかもしれない……」という予感はなんとなく感じてはいたんです。

とはいえ球団の立場を考えると、一桁背番号の選手をそんなに簡単に戦力外にするかと考えれば多分大丈夫だ(他球団とのトレードはあるかもしれない)と自分に言い聞かせて現実から目を逸らしていた結果なんでしょうね……

出場するかしないかは置いといて、もっと鎌ヶ谷行っておけばよかった……マジで……

 

谷口雄也という選手

野球は全く分からんという人向けに彼がどんな選手なのかを説明するのは非常に難しいんですけど、私の足りない語彙力で一言でまとめるなら「ギャップ萌え」なんです。

とある年のファンフェスで「剛力彩芽に似てるサンタコスプレ」がとてもバズりました。有効なソースはもう出てこないのでググってみてください。とてもかわいいです。

愛され童顔の彼についた愛称は「谷口きゅん」。野球界隈では野球選手らしからぬかわいい顔をお持ちの選手に付きがちの接尾語を見事獲得した彼なんですけど、バッティングスタイルは結構重量級なんです。

 

いやそれが入るのかーい!みたいな技ありホームランもあれば、

 

クソでかホーム球場でも余裕で入る特大アーチも打てる。

 

このギャップが私を長年魅了したわけです。

 

そんな彼も2017年の大きな怪我で戦線を長い間離脱していました。

オタクコンテンツなんかでも、推し本人の体調不良で芸能活動を休止したりとかあると思うんですけど、気持ちはあれに近いです(経験あり)。

個人差はありますが一度怪我をしてしまうと怪我をする前のパフォーマンスが出なくなったりするので、野球選手にとって怪我は命取りになることもあります。

 

今年はあの平成の怪物こと松坂大輔投手も引退を発表したわけなんですけど、引退会見の中で話した引退を決めた理由が印象的でした。


www.youtube.com

松坂投手といえば野球をそんなに知らない人でも知っているような超有名選手で、平成の野球界を象徴するような野球選手なわけですけど、そんな選手が「怪我が悪化して思うように投げられなくなった。たったの1球でボールを投げるのが怖くなってしまった。(要約)」って悔しそうに話す様子を見て、怪我無く野球生活を終えることがどんなに難しいかを思い知らされたような気持ちになりました。

レギュラーとして活躍する選手の裏で、怪我をすることで思うようなプレーができなくなる選手や怪我をしなくてもなかなか成績を残せない選手がどうしても出てきてしまう。そんな厳しい世界で活躍し、笑顔で引退するのはどれだけ難しいことなのだろう。

 

そんな中突如発表された谷口選手の引退。

最後まで自分と、相手チームと、ライバルでもある同僚と戦った11年間。つらかっただろうな。大きな怪我もして、もう辞めたい、逃げたいっていっぱい思っただろうな。

なんJでも散々な言われ様だった。谷口は今年で戦力外になるってたくさんのなんJ民が言ってた。私は最後まで推しを信じてた。戦力外になってトライアウト(戦力外になった選手が現役続行を希望する際に受ける試験)を受けることになっても、他球団にトレードされることになっても、応援するつもりだった。

そんな中推しが下した決断は「引退」だった。

 

www.fighters.co.jp

球団が発表したコメントでしか判断できませんが、「精一杯プレーしたので悔いはありません。(原文ママ)」って書いてあるのを読んで、(私自身が)本人の判断を受け入れたいという気持ちにもなったんです

つらかったことも悔しかったこともきっとあったと思うんですけど、本人は頑張った自分を認めて腹をくくっているんだなって思いました。

「これは悪い夢であってくれ~~~~」って気持ちも「今まで頑張ってくれた推しをゆっくりさせてあげたい」って気持ちも大事にしてあげつつ、(実質)引退試合を見守りたいと思います。

 

推し選手が出場する最後の試合

現在フェニックスリーグっていう二軍の大会みたいなものが開催されていて、それの出場選手として登録されていたので「明日が本拠地最終試合だし間に合わないじゃん……もう引退試合もできないじゃん……」って思ってたら、26日の最終戦には合流する見込みであることが記者の取材で明らかになり、26日の予定を急遽変更しました。推しの引退試合は何が何でもリアタイ観戦しないといけない。

推し選手の引退表明から一夜明けてすぐに引退試合の時間になって、「あ~~今日という日を迎えたくなかった~~」って気持ちでいっぱいだった。

あまりに急すぎたので流石に現地はきびかった。今すぐ札幌に行きたい気持ちを抑えつつ、推しの最後の打席を待ちます。

 

7回裏、2アウト。ついにその時が来た。

 

 

泣いた。

最後の打席を噛みしめることなく、いつも通りのスイング。飛んだ先は逆方向。

プロ野球選手・谷口雄也の最後の打席は左安打。通算140本目のヒット。

現地で見たかった。それでも推しが見せてくれた最後の雄姿は画面越しでもかっこよかった。

試合の方は(押し出し)サヨナラ勝利で気持ちよく終われました。

 

今日はホーム最終試合。もともと用意されていた挨拶等もあるので引退セレモニーとかは特に執り行われず、今シーズンを終えるといういつもの形で札幌ドームを後にしたことでしょう。

 

谷口雄也選手へ

今どんな気持ちですか。

事前の取材ではスッキリした気持ちだと話していたと思うので、本当に悔いはないんだと思います。

そう思えるほど今日まで野球をやりきった姿は世界一かっこよかったです。

 

私とちょっとしか変わらない年齢で引退の決断を下したことはとても勇気のいることだと思います。これからの人生も長く続いていくことでしょう。

どうかこれからも健やかに人生を楽しんでください。

 

たくさんの勇気や元気をありがとうございました。

11年間お疲れさまでした。

 

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211026 美瑠

 

↑この時の笑顔とガッツポほんっっっっっっっっっと好き